茶櫃 栃材 縮杢が見事! 木工芸

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古来「木地師」と呼ばれる職能集団がありました。 「木地師」は、家族ぐるみで木地をつくる特殊技能を受け継ぐ正業を営み、山中で一生を終えた誇り高き人々です。 私事ですが、奥美濃の実家でも例外ではなく、小屋掛けしながら、主に「栃の木」を伐採し、木地鉢・椀・盆・高坏等を造り続けた一族が活躍していた…という証もあります。 煎茶櫃  (径38センチ × 高さ12センチ) 小椋清兵衛作 明治45年4月3日 墨書銘 「縮杢」と呼ばれる、栃材ならではの希少部位を、ここぞとばかりに贅沢に、しかも蓋と本体の杢紋様は連続し、材の同部分で木取りされています。 木地師は一様に「惟喬親王」を祖神として崇めていたようです。 また、近江国小椋谷(滋賀県神崎郡永源寺町)の筒井八幡宮、蛭谷の筒井八幡神社の免状を受け、移動の禁じられた江戸期においても自在に活動していたとの事でした。なるほど、この茶櫃の製作者も小椋さんですね。 コンディションですが、時を経て櫃に2箇所、蓋に1箇所の罅があります(画像8〜10参照)。いずれも漆と思われる丁寧な繕いが施され、実用にも差障りはございません。 また蓋部分には反りや歪みが有ります事、併せてご承知おきください。 稀なる一品。 時を繋ぎ、さらにこの品を育てていただける… そんな数寄者の眼に留まれば幸いです。 #煎茶 #茶道具 #栃材 #刳り貫き #茶櫃

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